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“外骨格の生物はボディ・プランを作りやすいはずです。なにしろ骨の形にあてはめて設計をすればいいわけですからね。その証拠に昆虫はすばらしく多様なデザインで地球上で最も多くの種類をつくりだしています。それはすごくよかったんですが、限界もあるんです。外側に骨のすべてを出したから、中は何もかもが押し込まれている。そのため、とくに頭部の入り口のところで食道と神経管が交差してしまいました。 そうするとどうなるかというと、どんどん食べると、すぐに食道が膨らんでしまい、目から体に通っている神経系を圧迫するから、これは昆虫

“外骨格の生物はボディ・プランを作りやすいはずです。なにしろ骨の形にあてはめて設計をすればいいわけですからね。その証拠に昆虫はすばらしく多様なデザインで地球上で最も多くの種類をつくりだしています。それはすごくよかったんですが、限界もあるんです。外側に骨のすべてを出したから、中は何もかもが押し込まれている。そのため、とくに頭部の入り口のところで食道と神経管が交差してしまいました。
そうするとどうなるかというと、どんどん食べると、すぐに食道が膨らんでしまい、目から体に通っている神経系を圧迫するから、これは昆虫学者の奥井一満さんの言い草ですが、毎回胸やけがするのです(笑)。ようするに昆虫というのはたくさん食べられない動物になってしまったんですね。外骨格にしたということによって、サバイバル・ゲームの最高のデザインをしたのに、一方では小食で、ともかく食べたらすぐ食道を圧迫して胸やけになる(笑)。だから、しょっちゅう食べて、少しづつ出していかなければいけないという動物になったのです。
しかし、この戦略は多様性という面では大成功をする。ですから地球のことを「虫の惑星」とよぶくらいです。”


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