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アミノ酸

“佐々野:「安全ですよ」と私たちに情報を出すための実験って、どのぐらいの期間やっているものなんですか? 
唐木:ものによりますが、実験自体は、何年という期間がかかります。そして、食品安全委員会の審査は論文を集めて、審査するという形が中心なんですが、やっぱり1つの遺伝子組み換え作物を審査するのに、1年ぐらいは時間がかかります。 
佐々野:コメントの中にもあったのですが、「20年程度の実験の長さで本当に大丈夫なのか」という心配をされている方もいると思うのですが。 
唐木:よくそういうご心配がありますが、一番心配なのは、ガンを起こしたり、奇形を起こしたり、あるいは孫や子の代に何かおかしなことが出ないか、ということでしょう。これを調べるのは、そんなに難しくないんです。遺伝子に変化が起こっているかどうかを調べればいいのです。遺伝子に一切変化がなければ、ガンにもならない、奇形にもならない。孫や子に起こるはずがないわけですから。 
科学的なステップを1つずつ積んで、1年の実験をきちっとやれば、孫や子の代のことまで科学的には予測ができます。それで足りなければ、実験動物を使って実験を行うということになります。 
蒲生:付け加えさせていただくと、まず実験に何年という年数的な区切りがあるわけではありません。安全性が確認できるまでということですから、先ほど、唐木先生がおっしゃったように、モノによってはかなり時間がかかるものもあります。 
また、安全性を調べるところで、1つポイントになるかなと思うのは、先程「遺伝子はタンパク質を作る設計図であり、タンパク質はアミノ酸の塊だ」という話をしました。 
タンパク質は胃腸の中で分解されて、アミノ酸として体に吸収されますが、人間の体に入った後にそのアミノ酸がまた元の遺伝子組み換えタンパクに変わるということはありません。代謝に従ってその人の体の一部になったりエネルギーとして消費されます。 
それは、人間が豚肉という豚のタンパク質を食べても体の一部が豚にならないのと同じことです。元のタンパク質が遺伝子組換えタンパク質であったとしても、消化してアミノ酸になってしまえば、それは私たちの栄養素です。お腹の中で消化された時点で遺伝子組換えタンパク質ではなくなっていると言ってもいいでしょう。安全性を評価する上で、そのタンパク質が迅速にアミノ酸に消化されるかどうかは大事なポイントの1つです。”


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