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診察中の方言問題

●別の意味かと思ったら…

・福島県会津若松市の病院に勤務中の経験。「○○なし」という言い回しが「○○が無い」という意味ではなく、「○○でございますね」という丁寧語であった。(耳鼻咽喉科、40代)

・茨城県土浦市で救急外来勤務中、しきりに「こわいんだよ」と言う患者がいた。「怖くないよ」となだめてもダメ。後に、地元スタッフから「苦しい」という意味だと教わった。(循環器内科、50代)

・富山県の呉東地区の方言では、「オチンチンかく」と言うのが正座するという意味。お年寄りがよく使うらしいです。(心臓血管外科、40代)

・福井地方の人が「痛いんですって」と言ったら、自分のことを言っている。(麻酔科 60代)

・静岡のある地域では、味噌汁のことを「おっしい」とか何とかいうらしいです。「坐薬をおしりに入れてね」と言ったら、味噌汁に入れて飲んでいた患者がいました。(整形外科、40代)

・「きのうの晩」が、「昨日の夜」ではなく「一昨日の夜」を意味すると知った時は驚きでした。和歌山県の南部です。(総合診療科、50代)

・休憩する、休む、中断するの意味で、「タバコする」と言う高齢者がいました。「薬をタバコする」と言うのは休薬する、服薬していないという意味だったのですが、最初は何のことか分かりませんでした。(精神科、50代)
●症状編:その訴え、どういう意味?

・北海道道南地方。「腹がにやにやする」は不快感、「胸がゆきゆきする」は動悸。「痛い」は急性、「病める」は慢性、持続性を表します。(一般内科、50代)

・青森県津軽地方で、心窩部不快感を「にやにやするだびょん」「ざわざわするんだびょん」と言われた時は、全然分かりませんでした。(内科系専門科、50代)

・山形県庄内地方で、「まぐまぐでゅー」は「めまいがする」だった。(呼吸器内科、40代)

・群馬県前橋市では、「目が病める」をかなり幅広い意味で使います。「別の言い方ではどんな症状ですか」とお聞きしても、「病めるといったら病めるんだいねえ」と話が進みません。(眼科、50代)

・岐阜県西濃地方では、「嘔吐する」を「紙を使う」と表現するため、「紙を使って何をするの?」と戸惑う医師は多いと思います。(50代)

・静岡県浜松市に赴任した時、皮下出血=「血が死んだ」を何度も耳にしました。(形成外科、50代)

・愛知県瀬戸市では、皮疹一般が出ることを「ぼろが出た」と言っていました。研修病院だったので、それが高齢者の一般的な言葉なのかと思っていましたが、後に移った先では通じず、方言だったことを知りました。(30代)

・滋賀県湖北地方は、「しょうかち」が「膀胱炎」の意。(総合診療科、40代)

・和歌山県の「もじける」は「壊れる」という意味。「はしかい」はいまだに正確には意味が分からない言葉。くすぐったいでもないし、痛いでもない。「喉がはしかい」のように使う。何となく分かるが…。(代謝・内分泌内科、60代)

・「けんびき」と言う言葉。地域によって異なるが、一般には肩甲骨間の筋肉の凝りを言う。四国や山陰などでは風邪やものもらいも「けんびき」と言うという。千葉県北総地域で「ずーずーする」(千葉県北総地域)と言うのは、足のしびれや重い痛みなど、腰部脊柱管狭窄症様の症状。同地域で、「頭がのーのーする」と言われたこともあるが、現在まで意味不詳。(一般内科、50代)

・愛媛県西条市では、咳をすることを「たぐる」と言います。(一般外科、70代以上)

・高知県で「頭がうかうかする」は、ふらふらする様子を表します。現在、高知の方言を集めて、一覧表を作っています。(一般内科、70歳以上)

・福岡県筑豊地方では、帯状疱疹を「たず」、ムカデ刺されを「おこぜ」と言う。(一般内科、50代)

・長崎県の一部地域で、「腹痛などがあります」を「腹のせくとです」と言う。「ぐじぐじする」「にやにやする」と言った方もいらっしゃいました。腹痛を表現する言葉は千差万別です。(産科・婦人科、60代)

・鹿児島県喜界島で処置中の高齢女性に、「やみーやみー」と言われた。それが「痛い」という意味だと、処置を終えてから知った。(救急科、30代)


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