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こころの薬箱 引きこもりがちのきみに

引きこもりがちのきみに
学校や職場から引きこもって家族を心配させているきみ。ときどき真剣に悩むきみ。
そんなきみにメッセージが届けばいいと思ってこの文章を書いています。
まずある引きこもりの男性の話を聞いてみまし
ょう。
はじめはとてもつらかった。学校や職場に行くことはみんなが普通にしていることだから、みん
ながしていることを自分はできない、まずそう思ってつらいです。次には家族が心配するので、
それもつらいですね。何とかしなくちゃと何度も思って、そのたびにつらくなった。家にいても
どこにいても、なんとなく居心地が悪かった。まあ、当然ですよね。
最近は、引きこもりも長くなってくるとなんとなく慣れてきますね。そしてときどき昔のつらい
感じを思い出してつらくなる。それから、これからどうするかな、と考えさせられる機会もあ
って、その時にもつらい思いをする。
誰に相談したらいいかも分からない。どうして自分が学校(職場)に行けなくなったか、いま
となっては正確に説明できないようにも思う。自分なりには分かっていますよ。言いたくないで
すけど。ぼくは頭悪くないから、そんなことは分かってる。でもまあ、だれかに話して分かって
もらうのも難しそうで、それであきらめているんです。
でも親はときどききついことをいう。ぼくのためを思って言ってくれていると分かっているけ
れど、この自分のどうしようもなさを分かってもらえなくて、ついつい口げんかになってしまう
。言い返す元気もないときは無視して自分の部屋に閉じこもる。
この自分の苦しさは誰にも分からないのではないかと思う。分かってもらったところで、解決が
できるだろうか。解決どころか、もしかしたら自分は世間の人たちに比べてとても感性が優れて
いて、そのせいでこんな生活をしているのではないだろうか。だとすれば、無理矢理いまの生活
を変えることはない。
でもそうは言っても、将来のこともある。仕事は、結婚は、と考えるとちょっとね。さすがに不
安です。
親が心配するのは、まあ、極端にいえば勝手にしてもらえばいいんだけど、結局自分の人生な
んで、そろそろどうにか、ね。
しばらく引きこもっていた人たちってどんなふうにして変わっていくんですか?
だいたい雰囲気が伝わりましたか?
医療機関にはこんなタイプの若い人たちがたくさんいらしています。引きこもりが長い人も、短
い人もいます。カウンセリングを続ける人、薬物や自律訓練法を補助に使う人、紹介してもらっ
たいろいろな場所で新しい生活を試みる人、さまざまです。友達が多い人もひとりもいない人も
います。共通しているのは、過去のことはひとまずいいじゃないか、これから少しでも自分の希
望する方向に人生を向けるためにはどうすればいいか相談しよう、この点です。過去について根
ほり葉ほり調査しても、いまが突然変わるわけじゃありません。
また、いまが前進の時期ではないと感じるなら、ひとまず引きこもっていましょう。でも、その
とき、すこしでもきみが幸せな感じの持てる引きこもり方があるのではないでしょうか?
よその引きこもりの人たちはどうしているんだろう。どのようにして次の生活に踏み出したのだ
ろう。そんなことに興味はありませんか?
自分が来たくないなら、ご家族の方に代理できてもらいましょう。そして間接的にでもいいから
相談しましょう。
人間は学校(職場)に行くために生まれたのではありませんよね。その通りです。しあわせにな
るために生まれたのだと思います。学校で勉強するようになったのは人類の長い歴史で最近の百
年程度のものです。学校(職場)に行くか行かないかではなく、「しあわせになること」を一緒
に考えませんか?
きみのしあわせって、どんなこと?そこから話しませんか?


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