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日本社会を支えた「うつ病型仕事倫理」

“数年前に、テレビのドキュメント番組で、中卒の新人が建設現場の作業になじんでいく様子が映し出されていた。はじめのころは、何をしていいかわからず立ちすくんだり落ち込んだりして自信をなくしていたが、やがて、まわりの先輩たちの作業をじっと観察するようになる。そして、忙しそうにしている場所や、何かを求めているらしい雰囲気を機敏に察知して、そこへさっとかけよって作業を手伝うようになった。
 仕事では、誰も手取り足取り教えてはくれない。何をやっていいかわからないから、見よう見まねでまわりの状況に合わせていろいろやってみる。そのうちに、こんなときはこうすればいいのだということが体を通してわかってくる。まさに、状況(コンテクスト)に埋め込まれた技能が開発されていく。
 これがうまくいくためには、ある程度以上の期間にわたって職場の人間関係や雰囲気に溶け込んでいく必要がある。まわりの人たちの性格や気分を的確に判断して、あの人はいまこういう状態にあるからこういう手助けをすればよいと察する。日頃から職場の人たちと密接につきあっていると、気心がしれて共同作業がうまくいく。”
日本社会を支えた「うつ病型仕事倫理」


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