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高齢の父親の息子は“ギーク”度が高い? 知能レベルや集中力に優れている

 若い父親の息子よりも、高齢の父親の息子の方が、「ギーク(Geek)」になる可能性が高いことを示唆する研究結果が「Translational Psychiatry」6月20日号に掲載された。
 「ギーク」とは、知能レベルが高く、興味のあることに対する集中力がある一方で、人付き合いは苦手なタイプの人を指す口語。今回の研究を実施した米マウントサイナイ・アイカーン医科大学シーバー自閉症センターのMagdalena Janecka氏らは、「ギークの特性があると、学業で優秀な成績を収め、現代社会で成功しやすい」としており、父親が高齢であることのベネフィットを示されたとしている。
 同氏らは今回の研究で、英国の双生児を対象とした研究であるTwin Early Development Study(TEDS)に参加した子ども7,781人の12歳時の非言語的な知能レベルや興味の限定および反復行動、社会的孤立の評価データに基づき、子どもの “ギーク度”をスコア化した。
 その結果、男児の場合、父親が高齢になるほどギーク度のスコアが高まることが示された。一方、このような関係は女児では認められなかったほか、母親の年齢による影響はなかった。
 これまで、高齢の父親を持つ子どもは自閉症や統合失調症を発症する可能性が高いことを示す研究報告が相次いでいたが、Janecka氏は「今回の研究では高齢の父親の息子は学業面でもキャリア面でも有望であることが示された」としている。
 また、この結果について同氏は「高齢の父親の方が若い父親よりもキャリアが確立されていて、裕福である可能性が高いことが背景にあるのではないか」と考察。それによって、子どもがより恵まれた環境で成長し、レベルの高い学校に進学できているとも考えられるとの見方を示している。
 さらに同氏は、ギーク度の高さと自閉症には共通した遺伝子変異が関与している可能性を示唆。こうした遺伝子変異は高齢の父親に多くみられる傾向にあることも分かっているという。同氏は「このような遺伝子変異をいくつか持って生まれた子どもは学業で優秀な成績を収めるが、たくさんの遺伝子変異があり、さらに他の危険因子が加わると、自閉症の素因になる可能性があるのではないか」との推測を示し、「最近報告された自閉症と知能指数(IQ)の高さには共通した遺伝子が関与していることを示す研究結果も、それを支持している」と説明している。


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