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花びらとか葉っぱの上にある見えないものが見えてきて、僕の絵が細かくなった

80歳を過ぎてから目が良くなったと、どこかで発言されているのを聞いたのですけど、本当でしょうか? 

 僕の人生は、70 歳がルネッサンスで、花開いた。それまでは泥水の中にいるような人生(笑)。70歳になって、僕の作品がボローニャの国際絵本展で評価を得て、取材は沢山受ける、講演の依頼は来る、仕事は増える。イタリア人とかフランス人は、僕の絵を見ると「熊田の絵は、生きている。エスプリがファーブルと同じだ」なんて言ってくれるんです。嬉しいでしょ。だから80代のときは、もう本当に青春でした。
 でも普通、その歳を過ぎたら、いつ死んでもおかしくありませんから、見落としたものがあったら大変だと、もう一度よく庭を見直してみた。そうしたら、花びらとか葉っぱの上にある見えないものが見えてきて、僕の絵が細かくなったんです。今、若い頃の絵を見ると、つたなくて恥ずかしい。普通は70歳過ぎると若い頃の名声を保とうとするけど、僕は人生がその歳からでした(笑)。 
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97歳現役、植物画の巨匠:熊田千佳慕


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