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子宝

最近僕は、「計画的に出産する」ことを是とし、それが良識ある大人の分別であるとするような世間の風潮を感じています。そして、そうした風潮に辟易し、嫌気がさしています。「今は仕事が大事なときだから」「君に産休を取られると困る」「状況を整えてから妊娠するのが責任ある社会人」。社会・仕事・責任を優先するかのような物言い。誰がそんな冷たい世の中を望んでいるのか、本当に納得がいかない。本当に許せない。

子宝は天からの授かりもの。望まない妊娠を避けることは、子どもの幸せのためにも必要かもしれませんが、望まれて生まれる子どもに時期の分別など必要なものか。無計画に出ていらっしゃい。都合悪いときでも出ていらっしゃい。キミに会うより幸せなことはない。どんなお金にも、どんな名誉にも代えられない喜びがある。いつだって、キミは、生まれてきていい。

しかし、実態は違います。

産休をまともに取れる会社がどれほどあるか。急に離脱しても構わないプロジェクトがどれほどあるか。いや、もっと言えば、妊娠・出産を望みながら不妊に苦しむ人たちに、どれほど社会の支援はあるのか。何が少子化問題だ。胸に手を当てて考えれば、いかに子を生みづらい世の中であることか、背筋が寒くなる想いです。

先日見たドキュメント番組で、不妊治療のための通院や休暇取得を会社に言い出せず、あるいは理解を得られず、自ら退職する女性の話を聞きました。不妊に冷たく、妊娠に冷たく、出産に冷たく、育児に冷たい社会。決して少なくない人が、妊娠・出産という「迷惑」をかけることに、恐縮しながら生きている。そんなに誰かが妊娠したり、妊娠を望んだりしたら困るのですか。



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