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時間が非対称性であるということ

時間に関する理解は物理学の大きな未解決問題の一つであり、哲学者たちをも悩ませてきた。時間とはなんだろうか?なぜ決まった方向を持つように見えるのだろうか?宇宙のほとんどの法則は完全に対称でありながら、時間が非対称性であるということを表すものとして「時間の矢」という概念が定義されている。
いま、この説明となるかもしれないものが提唱されている。カルテク(カリフォルニア工科大)の物理学者Sean CarrollとMIT(マサチューセッツ工科大学)の宇宙論者Alan Guthは、時間の矢は完全に対称な方程式系から自然に生じることができることを示すシミュレーションを作成した。
時間の矢は、時間は間違いなく過去に過ぎていくように見え、その方向が宇宙のエントロピーの増大の方向と一致するよう観察されることからそう呼ばれている。
彼らの研究はまだ発表されてはいないが、それについて彼らはNew Scientistにおいてディスカッションしている。彼らのシミュレーションは重力の下、互いに相互作用しランダムな方向に運動している多数の粒子のものだ。
一部の粒子は自然に集まり、低エントロピー領域に凝縮していき、その後分裂し特定の方向に広がっていく。驚くべきことに、系全体を反転してもエントロピーは依然増加し、時間のどちらの方向をとっても可能な解であることを示した。
このようなことが示されるのはこれが初めてではない。2014年、ある国際的なグループが対称な物理法則と「明確」な時間の矢のみを得られることを示す、シンプルなモデルを発展させた。彼らの発見はPhysical Review Lettersで発表された。彼らは、時間の矢は存在するが、それは系の粒子から見た視点での話であり、外部の観測者からは時間の特定の方向は存在しないことに気付いた。
研究が発表されれば、この科学者たちが公表したことについて間違いなく熱く議論されるだろう。このモデルは興味深い発想を提供するが、時間とは何なのかという問題の答えに近づくわけではない。それどころか、その性質と複雑さに関する問題をさらに増やすことになる。この状況で私は、ダグラス・アダムズの解釈に賛成しておきたい:「時間は幻想だ。特にランチタイムは2倍ね」

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