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優秀な人材はどこに埋もれているのか

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社会が混乱期を脱出して安定期に入ると

次第に富裕層と貧困層、支配層と被支配層、権力側と納税者に分化してゆく

富裕な支配層は現状を固定化しようと画策する

まず教育を無力化しようとする

そして自分たちの子供だけはきちんと教育しようとする


しかし無力な教育では次世代は厳しい国際情勢に対処できない

外交、軍事、経済、オピニオンの発信、いずれにおいても遅れを取ってしまう

きちんと教育したいはずの自分たちの子供は

何も吸収してくれない頭脳である場合もある

仕方がないので、自分たちの遺伝子ではない優秀な人たちを

自分たちの階層に取り込んでゆく


一方で、教育を充実させると

貧困はなぜ固定化するのかを分析するものが現れ

それは現状の社会を変革する動因になると言われる


しかしそれには富裕層は対策を持っていて

優れた人間を自分たちの内部に取り込んでしまう

組織の中に、また血縁の中に取り込む


血縁の中に取り込むというのは

結局自分たちの遺伝子が薄くなることを意味するし、

養子の場合には極端に言えば、自分たちの遺伝子は中心部に残さず、

権力と富の周辺部に残すということで妥協するのだが

何世代家を経過すれば、別の人たちが支配層に就いているだろう

それでもいいと思うのは、結局、自分たちが生きている間だけ裕福ならいいという考えなのだろう

実際、自分たちが死んだあとの支配層がどうなっていようと

たいして関心はないだろう


階級闘争の現実は富裕対貧困、資本対労働という側面もあり、
下部構造の変革が上部構造の必然的な変革として結果するという面があるけれども

(例えば社会と経済の発展とキリスト教の発展をそのように関係づけることができる)

一方では富裕階級が自分たちの富裕さを維持できる才能のある子供を育てられないことが

しばしば発生するのであって

そして逆に、貧困層の中から、優秀な人材が突然変異的に発生する

という事情がある


この突然変異的な人間の発生率はどの程度かと言えば、

実は小さくないと考えられる

だめな教育をしても突然変異なので発達を止めることもできない


つまり、現支配層が優秀な遺伝子であり、現被支配層が優秀ではない遺伝子であったとして、

次世代がどうなるかは、案外不安定なものだと思われる


遺伝子の世代継続性よりも、

突然変異による有利な形質の発生が優位となる事情がある


だからこそ試験制度をいじりたくなる

つまり金持ちが入学しやすくする


現在でも十分に金持ちが入学しやすいのだけれど

その制度の中でもついていけないくらい支配層の子供は資質が低下しているので

制度をもっといじる必要があるらしい


しかしそのことは、前にも書いたように、国際競争力を弱くしてしまう

支配層は自分たちの優位を維持しながら、外交、軍事、経済、倫理をリードしていかなければならないので

相当に困難である


おおよそ3世代か4世代経つうちに

遺伝子は入れ替わっていることになるだろう


この場合、遺伝子は自分を残す確率を最大化するように戦略を選択していると

擬人的に言われるのであるが

(実際には逆で、進化論的にはいろいろな戦略の中で、

自分の遺伝子の生き残りを最大化するような戦略を取った遺伝子が

生き残りを最大化しているというトートロジー的な言い方になってしまう

つまり何も言明していないようなものだ)

人間の現代文明社会ではそうでもないらしい


現在の日本は、明治以来の追いつけ追い越せタイプの富国強兵路線は

バブルで終わってしまい、必然的に求められる能力も変化し、

アメリカで生み出されているような新しいアイディアを

生み出す才能が必要だと議論されているのであるが

本質はそんなところにはなく

支配層がぼんくらな子供を守っているだけだとも見える


真に優秀な人にポストを譲り権力を与えれば

新しい力も湧いてくるのではないかと思う


権力者の二代目、三代目、四代目が、瑣末な問題を議論している(あるいは議論をしているふりをして

マスコミと共同で演技している)間に

日本はどんどんガラパゴスになった


優秀な人はアメリカに行ってそのままアメリカにとどまった


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