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百三歳の祖母

"田舎の百三歳の祖母が亡くなった。私は葬式にもいかず挨拶もしなかった。
私は祖母の長男の長男だから役割はあったのだと思うけれども、
考えあって、行かなかった。
祖母の夫は戦争で南方で死んだ。
だから私に靖国に行って拝んで来いという。
また、仏壇に向かって南無大師遍照金剛を繰り返し唱えていた。
だから私に高野山に行って拝んで来いという
弘法大師の真言宗だ
昔は家の格が高かったのでお寺での地位はいまも高いのだが
その分、寄進は高額に定められる
そんなお金も軍人恩給から捻出していたようだ
お寺も軍人恩給も恐るべしである

夢見が悪かったから気をつけろ
カラス鳴きが悪いから気をつけろ
と孫に、繰り返し、ほぼ毎朝どちらかを言っていた"



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